児童虐待防止のために自分ができることをやってみた
こんばんわ、だーすです。
先月はじめ、非常に悲しく、心が締め付けられるような事件が発覚しました。
東京都目黒区に住む5歳の女の子が、両親からの虐待によって命を落とした、児童虐待事件です。
5歳の子が、ひらがなの書き取りを命じられ、覚えたてのひらがなで「おねがいゆるして」と書き残し、息を引き取っていった。その様子は想像しただけで涙が止まりません。
親戚でもご近所さんでもなんでもないけれど、どうにかして救ってあげたかった。
虐待から守ってあげたかったし、おいしいご飯も食べさせてあげたかったし、温かいお風呂とお布団で寝かせてあげたかった。
でも、どうしてあげることもできなかった。悔しくて、悔しくて、しょうがない。自分の無力さを感じました。
ただ、そうこうしている間にも、今この瞬間に虐待を受けている子どもたちがいる。
助けてといいたいけど言えない状態の子どもがいる、そう思ったら、何かせずにはいられませんでした。
「親子の笑顔を妨げる社会問題を解決する」をミッションに掲げている我が職場・フローレンスでも、『なくそう!こどもの虐待プロジェクト2018』の事務局を設置し、署名キャンペーンを行いました。
私も署名にはもちろん賛同しました。
そして、この事件に対して胸を痛め、なにかできないかと考える人々たちからの署名が、10万筆以上集まり、この署名は厚労大臣や都知事に届けられました。
事件を機に知った、ある重大な問題
さて。
この署名の中の要望(児童虐待防止八策)の1つにもあるのですが、今回私はこの事件を機に、ある重大な問題が存在することを知りました。
支援が必要な家庭が転居してしまい、所在が不明になってしまった際、どのようにその児童を探すのか。
その答えがFAXだというのです。
もう、この話を聞いた瞬間、
「ふぁ、ふぁ、ふぁっくすぅ!?」
と素っ頓狂な声が出るくらい驚きました。
あの、時々ノイズが入って心底読みづらいし、営業のものも混ざるし、紙に印字しないと読めないあのFAXです。
ない、ない、なさすぎる!
それはないわ、データベース化だわ、IT化に予算つけなきゃだわ、と思った矢先、厚労省が「FAX辞めます」と情報共有の方法について見直しを発表しました。
っておーーーい!メーリングリストかーい!(*`Д´)⊃
と突っ込まざるをえない内容。。。
メーリングリストでは、データの蓄積には向かないし、分析して傾向を見て対策を練る、といったことにも使えません。
さほど急ぎでないものならよいのですが、児童虐待という一刻を争う情報共有にメーリングリスト……それはそれは……大変ヤバそう…。
そんなとき、サイボウズ株式会社の社長の青野さんが鶴の一声をつぶやきました。
児相同士の情報共有ツールとしてメーリングリストを使うとのこと。お金がないのはよくわかったので、kintoneなどの児相向け無料プランを用意します。より効率的で質の高いIT化を進めてください。 https://t.co/eS4OaAAD28
— 青野慶久 (@aono) 2018年6月21日
それに対して私、瞬発的に
しゅごい!!青野さんイケメンすぎる!!!
— 須田麻佑子@リモートワークin金沢 (@suda_remote) 2018年6月21日
地元の児相でkintone化するなら、わい微力だけど手伝うわ!! https://t.co/PhKH5usdqO
と呟きました。
すると、以前金沢市の働き方改革セミナーで知り合ったサイボウズ社長室フェローの野水克也さんが反応してくださったのです。
すぐ支援できますので遠慮なく言ってくださいね。
— 野水@サイボウズフェロー (@nominomi875) 2018年6月21日
……キタコレ!!!!
これはもう、やるしかない。
悲しいニュースに胸を痛めて、涙して、苦しいからってニュースを見ないようにしてたってなにも変わらない。一人も救えない。
動こう。
ということで、今まで政治や行政からはそんなに近いところにいなかった私が、「日ごろ業務でkintoneを使っているから、kintone構築でもなんでも、できることあったらやりたい」という気持ちから、アクションを起こすことになりました。
ハッシュタグ「#児童虐待に取り組まない議員を私は支持しません」の存在
いざ、アクションを起こそうと思っても、児童相談所の職員の方と知り合いなわけでもなく、業務内容を熟知しているわけでもありません。
さて、どこから手を付けたものだろうか…。
そう思った瞬間に、あるハッシュタグの存在が頭に浮かびました。
Twitterに流れていた「#児童虐待に取り組まない議員を私は支持しません」です。
(ちなみに「#児童虐待問題に取り組む議員を支持します」というタグもあります)
そういえば私、このタグを初めて見たときに、昼休みをぶっ潰して金沢市の市議会議員さんたちを調べたんでした。
ていうか昼休みぶっ通しで金沢市議37人の活動実績を総ざらいしたけど、今回の事件について触れているの1人だけだったよ。
— 須田麻佑子@リモートワークin金沢 (@suda_remote) 2018年6月11日
まずいね、これは。。
と、同時に活動に共感する市議さんもいた。
引き続きウォッチしよう。#児童虐待問題に取り組まない議員を私は支持しません
あの、ぶっちゃけますが、市議についてリサーチなんて、いままでやったことありませんでした。(市議会だよりは目を通すけど、だれが何を掲げて活動しているのかとか、日常的には気にしていませんでした…選挙の前なら調べるんだけど…はい、すいません…)
ホームページを持っていなかったり、更新が止まっていたり(Facebookに移行しているのかもよくわからない…)、と、市議にもいろんな方がいらっしゃるのね…という状況の中、
#ひとごとじゃない 、自分ごとにせねば、ということで、金沢市議から取り組みをリサーチ中。
— 須田麻佑子@リモートワークin金沢 (@suda_remote) 2018年6月11日
市議の熊野盛夫さん、行動に移していらっしゃいました。
#児童虐待問題に取り組まない議員を私は支持しませんhttps://t.co/AyqVBdETtL
唯一、今回の児童虐待事件を受けて、行動を起こしている方がいらっしゃいました。
ブログにて、児童相談所に訪問されたとの報告が載っていました。
ということで、ホームページの連絡先メールやFacebookメッセンジャーを活用し、お会いしてお話ししたい旨を連絡。アポイントのお時間をいただきました。
いざ、熊野市議の事務所へ
先日Twitter上で協力してくださるとお声掛けくださったサイボウズの野水さんが、お仕事で金沢にいらっしゃるタイミングと調整し、2人で熊野さんの事務所に訪問させていただきました。
ちなみに熊野さんはこのような方です。
さっそく熊野さんから児童相談所の現状や、これまでの児童虐待への取り組みを伺い、金沢市や石川県内の児童虐待の現状について意見交換させていただきました。
(ちなみに熊野さん曰く、児童虐待については他の市議の方も全く関心がないわけではなく、たまたまブログに書いたのが僕だけだったんだと思いますよ、とのこと。よかった。。ぜひ党や会派を超えて子どもたちのために取り組んでいただきたいです…)
私たちからも、『なくそう!子どもの虐待プロジェクト』に記載の児童虐待八策(とくに「(5)児童相談所間でケースを共有できるITシステムを導入・推進してください」)について、なぜFAXやメーリングリストではだめなのか、といった点でお話をしました。
(ほかにも、タスクや書類が属人化してしまうことで業務シェアができないリスク、ブラックな労働環境に居続けることで職員の離職を招いてしまうこと、情報連携をスムーズに行うことによって本当に注力すべき業務に時間を割いてほしいことなどもお話ししました)
他にも、虐待問題へのIT技術導入の分野では、AI(人工知能)によって虐待リスクを判定する技術開発が進んでいること、子ども食堂だけではアプローチしきれない子どもの貧困対策としての「子ども宅食」についても紹介させていただきました。
最後には熊野市議からも「次回の議会でも質問を出します」とのお話をいただき、事務所を後にしました。
いつも頭の片隅に置いておくこと。そして、できることから1つずつやってみること。
いままでこのように議員さんにアプローチをしたことも全くない私でしたが、今回は一緒に訪問してくださる方もいたことで勇気をもらい、アクションを起こすことが出来ました。
とはいえ、まだ何かが変わったわけでも、だれか一人救われたわけでもありません。
この問題について継続的に考え、常に自分には何ができるか頭の片隅においておくこと、出来そうなことがあったら取り組んでみること。
児童虐待防止という、あまりにも大きくてどこから手を付けたらよいのかわからないようなものだからこそ、この問題を見つめ、小さくてもアクションを起こせる人が多くいることが重要なのかなと思っています。
「自分の選挙区で児童虐待に取り組んでいる議員さんはだれか調べてみる」
「それが分かったら発信してみる」
「児童養護施設について調べてみる」
「ボランティアや寄付で協力できないか聞いてみる」
などなど、小さくてもできることはたくさんあります。
私も今回の市議さん訪問にとどまらず、できることを模索していきたいと思います。
ということで、今回は、児童虐待防止のために自分がやってみたことをお伝えしました。
参考になったかどうかわかりませんが、この記事を読んだ方が、小さくてもいいので、児童虐待防止のためにできそうなことにアクションしてくださると嬉しいなーと思います。
ではでは、本日はこの辺で!