「社会は多様だから」ーーCode for KanazawaのCivic Hack Nightで学んだこと
先日、Code for Kanazawaさんが主催のイベント、Civic Hack Nightに参加してきました。
会場は、最近できたばかりの加賀市山代温泉にあるコワーキングスペース・山代コドン。
中はこんな感じです。(奥側のコワーキングスペースから撮影)
で、Civic Hack Nightについて。
私自身はプログラマーでも何でもないのですが、「地域の困りごとをITやデザインの力で解決する」というCivicTechのコンセプトに心ときめき、夫と共に参加してきました。
(場所柄、実家にもほど近く、子どもをじぃじばぁばに預けて参加できたのもありがたかった…!)
Civic Hack Night、今回のお題は?
Code for Kanazawaでは、Civic Hack Nightを毎月1回開催しており、毎回メンバーは固定ではなく、出入り自由、お題持ち込みOK・持ち込みなくてもOKという、ゆるやかな参加ルールのもと、運営されているようです。
今回の参加者は25名くらいいたでしょうか。。
Code for Kanazawaのこれまでのプロダクトの話、前回までのCivic Hack Nightでどんなことを議論したのか、などをお話しいただき、「さて自分たちの地域の課題で解決したいものがある人ー!?」という流れで自分たちの街について考えていきます。
ちなみにCode for Kanazawaから生まれたプロダクトには、「5374(ゴミナシ)」「のとノットアローン」「Ha4go(ハシゴ)」などがあります。
詳細は以下のリンクにて。
これらのプロダクトのネーミングセンスも、心に刺さるものがあります。笑
今回、参加メンバーの中でこれについて議論したい!という方が何名かいらっしゃり、テーブル分けの結果、
「空き家問題」
「イベントや求人に人を集める」
「CivicTechについて知る」
という3つに分かれることになりました。
ここで私は「イベントや求人に人を集める」、夫は「空き家問題」のテーブルに入り、この地域課題について考えていく時間に入りました。
テーブル内で議論するも…
「イベントや求人に人を集める」のテーブルでは、
- ある技術を持った人を集めたいんだけど、どうやって・どこで集めたらいいかわからない
- イベント告知をしても、うまく集まらない
という悩みから議論が始まりました。
……が、話すうちにいろいろ行き詰まり、
「イベントに来る人たちって何を見てきてるんだろうね、Facebookなのかな」
「何があればもっと人を呼べるのかな」
といった話の中で、今回のイベントの主催であるCode for Kanazawa代表の福島さんにご意見をいただきました。
その中で印象的だった言葉を紹介します。
「ITって、あくまで道具なんです。
何を使って告知するであれ、そのイベントがその人にとって魅力的であれば来るし、興味がなければ来ない。
自分たちにできることはそのイベントを誠実に続けていくことだけなのかなと思っています。
このイベントは、プログラマーな人もそうじゃない人も、来ていいことになっているし、ITに強くても弱くても、主婦の人が来たっていいんです。
なぜなら、社会は多様だから」
こういう場を持ち続けている人が、日々の積み重ねから体感しているからこそ言える言葉だと思います。
IT技術を作る側ではなく、使う側である身としては、作る工数や時間、費用感などを踏まえず、夢見がちな発想で意見を言ってしまいます。
例えば
「『観光地に行くと、100年前にタイムスリップ出来るVRのゴーグルがある』みたいなの出来たら面白くない?」
とか。
「空き家問題で困るのって仏壇なんだよね。いっそ仏壇をバーチャルにしたらいいんじゃない?」
とか。
(これ、いずれも今回のイベントで出た意見)
実現可能かどうかは置いといて、「これが問題になりがちなんだよね」「こうしたらいいんじゃない」と言い合える場を作る。
できるかどうかはまた別のところで考えるとして、言いたい放題言える雰囲気を作る。
そしてうまく話がまとまらなくなったとしても、それでよい。
このCivic Hack Nightの根底に流れている思想は、簡単なようでいて、結構難しいことではないでしょうか。
Aさん「こういうものあったらよくない?」
Bさん「あーそれ、以前やったことあるけどうまくいかなかったんだよ、別のこと考えない?」
Cさん「あの問題、こういう方法で解決できないかな」
Dさん「それ、行政側でこういうの指摘されるから無理だよ」
Eさん「こんなものを作りたい」
Fさん「出来なくないけど、それやるなら○円くらいかかるけどお金どこから出すの、無理じゃない?」
などなど。。
そうして話していくうちに、希望とか願いが言いづらくなって、活発な議論が出てこなくなる、って結構「あるある」じゃないでしょうか。
議論が出なくならないよう、多様性を受け入れ、議論を交わし…。
答えが出る日も出ない日もあっていい。
Civic Hack Nightはそのスタンスを守り続けて、34回もこの回を開き続けているのです。すごい。。。
オープンな議論は何でも言える場づくりから
世の中の問題を考えたい。社会を変えたい。
そういう気持ちを持っていても、なかなか表す場がないことも課題だと思っているのですが、実はそういうことを言い出せる雰囲気を作っているか、というのも合わせて考えないといけないな、と今回のイベントで学びました。
家族間や職場で感じている課題も、「言っても無駄だ」という雰囲気になっていないか。
自分の価値観や考え方だけに依拠していないか。
そこを見直すだけでも、場の雰囲気をよい方向に変えていけるのではないでしょうか。
もっとオープンに、みんなが思っていることを言えて、より良い方向に世の中を変えていけるように。
一人一人が心に留め置いておけるといいのでは、と思います。 (自戒も込めて)
ということで、今回はこの辺で。
8月29日の夜、HATCHi金沢でパラレルキャリアについて語ります!
なんと私め、この度登壇の機会を頂きました。
七尾のまちづくり会社・㈱御祓川さん主催のイベント、『しごとバー金沢「北陸でパラレルキャリアを語らナイト」』にてお話させていただくことになりました。
1か0か、といった完全なる転職とはまた違う、『パラレルキャリア』という形での働き方について、私の事例をもってお話できれば…と思います。
「パラレルキャリアってなん?そんないっぱい仕事できんし、副業も会社で禁止されとるし」
という方でも、実は、すでに「仕事」「家庭」「地域」といろいろなところで役割を担っている、パラレルワーカーだったりするんですよねー。
ということで、ご都合のつく方、仕事場以外での役割を模索している方、仕事だけじゃなくて家庭や地域へのコミットを増やしたい方などなど、いろいろな方と知り合えたら嬉しいです^^
ちなみに私がパラレルキャリアをはじめた経緯は過去記事にて!
移住者を増やす前に「ここに住んでいて良かった」と思える人を増やすことが先
昨日は午前中お休みを頂き、金沢市の「先輩移住者による意見交換会」に参加してきました。
いわゆる「移住者を増やすにはどうしたらいいのかを、移住経験者の意見から考えよう!」みたいな場だったのですが、ここで移住施策に金沢らしさをどう出していくか、みたいな話がありました。
金沢らしさってそこなの?
配布されたレジュメには「待機児童ゼロ」の文字が。
いやいや、市全体で均して、入園先を選ばなければ保育園に入れるかもしれませんが、場所によっては定員オーバーで入れないし、車ありきで保育園の場所を考えなければならない状態で本当に待機児童ゼロって言えるのですか、と突っ込んでしまいました。
そして「女性の就職率全国トップクラス」 「学生のまち」 (大学・短大が多い)ということも金沢らしさの記述の中にありました。
移住施策も大事。でも今の住民のマインドを育てることも大事。
個人的な意見ですが、移住してもらうためにどうしたらいいのか、の前に、いま金沢に住んでいる人たちが「ここに住んでいてよかった」という気持ちを持てることが大事だと思います。
ワーキングマザーの身としては、希望する保育園にすんなり入れること、フルタイム勤務の就労証明がなくても保育を利用できること、パートナーが育児に協力的になれる職場環境を整えること、家庭内以外にも子育てで頼れる場所が複数あること、(子育て世代に限らず)多様な人材が力を合わせて仕事ができる風土があること、地域の資源をうまくシェアできる状態が整っていること、などなど。
そうした素地があってこそ、「ここに住んで良かった」→「ここでずっと暮らしていいたい」→「この良さを他の人にも伝えたい」という流れが生まれるのだと感じています。
そんな中、紹介したいのは、優秀な女性研究者が保育園に入れないという話。
本当に社会的損失が大きい事態だと思います。
(どうしてこんなに就労証明書が強いんでしょうか。。)
この記事を読んだ後に意見交換会に参加したのですが、「金沢は学生が多くて、女性の就職率が全国トップクラス」だと語るのであれば、こうして雇用関係にない状態で研究者として頑張っている方々をはじめ、個人事業主やフリーランスとして働いている人も、子どもの保育を利用でき、社会で子どもを育てていく街にしていかねば、と思いました。
男女問わず能力が存分に発揮でき、社会で子どもを育て、多様な働き方・家族のあり方を受け入れられる社会になれば、もっといい街になるはず。
そして、そんな街づくりを個人レベルからやっていきたいと思いました。
(なんか徒然なるままにですいません)
児童虐待防止のために自分ができることをやってみた
こんばんわ、だーすです。
先月はじめ、非常に悲しく、心が締め付けられるような事件が発覚しました。
東京都目黒区に住む5歳の女の子が、両親からの虐待によって命を落とした、児童虐待事件です。
5歳の子が、ひらがなの書き取りを命じられ、覚えたてのひらがなで「おねがいゆるして」と書き残し、息を引き取っていった。その様子は想像しただけで涙が止まりません。
親戚でもご近所さんでもなんでもないけれど、どうにかして救ってあげたかった。
虐待から守ってあげたかったし、おいしいご飯も食べさせてあげたかったし、温かいお風呂とお布団で寝かせてあげたかった。
でも、どうしてあげることもできなかった。悔しくて、悔しくて、しょうがない。自分の無力さを感じました。
ただ、そうこうしている間にも、今この瞬間に虐待を受けている子どもたちがいる。
助けてといいたいけど言えない状態の子どもがいる、そう思ったら、何かせずにはいられませんでした。
「親子の笑顔を妨げる社会問題を解決する」をミッションに掲げている我が職場・フローレンスでも、『なくそう!こどもの虐待プロジェクト2018』の事務局を設置し、署名キャンペーンを行いました。
私も署名にはもちろん賛同しました。
そして、この事件に対して胸を痛め、なにかできないかと考える人々たちからの署名が、10万筆以上集まり、この署名は厚労大臣や都知事に届けられました。
事件を機に知った、ある重大な問題
さて。
この署名の中の要望(児童虐待防止八策)の1つにもあるのですが、今回私はこの事件を機に、ある重大な問題が存在することを知りました。
支援が必要な家庭が転居してしまい、所在が不明になってしまった際、どのようにその児童を探すのか。
その答えがFAXだというのです。
もう、この話を聞いた瞬間、
「ふぁ、ふぁ、ふぁっくすぅ!?」
と素っ頓狂な声が出るくらい驚きました。
あの、時々ノイズが入って心底読みづらいし、営業のものも混ざるし、紙に印字しないと読めないあのFAXです。
ない、ない、なさすぎる!
それはないわ、データベース化だわ、IT化に予算つけなきゃだわ、と思った矢先、厚労省が「FAX辞めます」と情報共有の方法について見直しを発表しました。
っておーーーい!メーリングリストかーい!(*`Д´)⊃
と突っ込まざるをえない内容。。。
メーリングリストでは、データの蓄積には向かないし、分析して傾向を見て対策を練る、といったことにも使えません。
さほど急ぎでないものならよいのですが、児童虐待という一刻を争う情報共有にメーリングリスト……それはそれは……大変ヤバそう…。
そんなとき、サイボウズ株式会社の社長の青野さんが鶴の一声をつぶやきました。
児相同士の情報共有ツールとしてメーリングリストを使うとのこと。お金がないのはよくわかったので、kintoneなどの児相向け無料プランを用意します。より効率的で質の高いIT化を進めてください。 https://t.co/eS4OaAAD28
— 青野慶久 (@aono) 2018年6月21日
それに対して私、瞬発的に
しゅごい!!青野さんイケメンすぎる!!!
— 須田麻佑子@リモートワークin金沢 (@suda_remote) 2018年6月21日
地元の児相でkintone化するなら、わい微力だけど手伝うわ!! https://t.co/PhKH5usdqO
と呟きました。
すると、以前金沢市の働き方改革セミナーで知り合ったサイボウズ社長室フェローの野水克也さんが反応してくださったのです。
すぐ支援できますので遠慮なく言ってくださいね。
— 野水@サイボウズフェロー (@nominomi875) 2018年6月21日
……キタコレ!!!!
これはもう、やるしかない。
悲しいニュースに胸を痛めて、涙して、苦しいからってニュースを見ないようにしてたってなにも変わらない。一人も救えない。
動こう。
ということで、今まで政治や行政からはそんなに近いところにいなかった私が、「日ごろ業務でkintoneを使っているから、kintone構築でもなんでも、できることあったらやりたい」という気持ちから、アクションを起こすことになりました。
ハッシュタグ「#児童虐待に取り組まない議員を私は支持しません」の存在
いざ、アクションを起こそうと思っても、児童相談所の職員の方と知り合いなわけでもなく、業務内容を熟知しているわけでもありません。
さて、どこから手を付けたものだろうか…。
そう思った瞬間に、あるハッシュタグの存在が頭に浮かびました。
Twitterに流れていた「#児童虐待に取り組まない議員を私は支持しません」です。
(ちなみに「#児童虐待問題に取り組む議員を支持します」というタグもあります)
そういえば私、このタグを初めて見たときに、昼休みをぶっ潰して金沢市の市議会議員さんたちを調べたんでした。
ていうか昼休みぶっ通しで金沢市議37人の活動実績を総ざらいしたけど、今回の事件について触れているの1人だけだったよ。
— 須田麻佑子@リモートワークin金沢 (@suda_remote) 2018年6月11日
まずいね、これは。。
と、同時に活動に共感する市議さんもいた。
引き続きウォッチしよう。#児童虐待問題に取り組まない議員を私は支持しません
あの、ぶっちゃけますが、市議についてリサーチなんて、いままでやったことありませんでした。(市議会だよりは目を通すけど、だれが何を掲げて活動しているのかとか、日常的には気にしていませんでした…選挙の前なら調べるんだけど…はい、すいません…)
ホームページを持っていなかったり、更新が止まっていたり(Facebookに移行しているのかもよくわからない…)、と、市議にもいろんな方がいらっしゃるのね…という状況の中、
#ひとごとじゃない 、自分ごとにせねば、ということで、金沢市議から取り組みをリサーチ中。
— 須田麻佑子@リモートワークin金沢 (@suda_remote) 2018年6月11日
市議の熊野盛夫さん、行動に移していらっしゃいました。
#児童虐待問題に取り組まない議員を私は支持しませんhttps://t.co/AyqVBdETtL
唯一、今回の児童虐待事件を受けて、行動を起こしている方がいらっしゃいました。
ブログにて、児童相談所に訪問されたとの報告が載っていました。
ということで、ホームページの連絡先メールやFacebookメッセンジャーを活用し、お会いしてお話ししたい旨を連絡。アポイントのお時間をいただきました。
いざ、熊野市議の事務所へ
先日Twitter上で協力してくださるとお声掛けくださったサイボウズの野水さんが、お仕事で金沢にいらっしゃるタイミングと調整し、2人で熊野さんの事務所に訪問させていただきました。
ちなみに熊野さんはこのような方です。
さっそく熊野さんから児童相談所の現状や、これまでの児童虐待への取り組みを伺い、金沢市や石川県内の児童虐待の現状について意見交換させていただきました。
(ちなみに熊野さん曰く、児童虐待については他の市議の方も全く関心がないわけではなく、たまたまブログに書いたのが僕だけだったんだと思いますよ、とのこと。よかった。。ぜひ党や会派を超えて子どもたちのために取り組んでいただきたいです…)
私たちからも、『なくそう!子どもの虐待プロジェクト』に記載の児童虐待八策(とくに「(5)児童相談所間でケースを共有できるITシステムを導入・推進してください」)について、なぜFAXやメーリングリストではだめなのか、といった点でお話をしました。
(ほかにも、タスクや書類が属人化してしまうことで業務シェアができないリスク、ブラックな労働環境に居続けることで職員の離職を招いてしまうこと、情報連携をスムーズに行うことによって本当に注力すべき業務に時間を割いてほしいことなどもお話ししました)
他にも、虐待問題へのIT技術導入の分野では、AI(人工知能)によって虐待リスクを判定する技術開発が進んでいること、子ども食堂だけではアプローチしきれない子どもの貧困対策としての「子ども宅食」についても紹介させていただきました。
最後には熊野市議からも「次回の議会でも質問を出します」とのお話をいただき、事務所を後にしました。
いつも頭の片隅に置いておくこと。そして、できることから1つずつやってみること。
いままでこのように議員さんにアプローチをしたことも全くない私でしたが、今回は一緒に訪問してくださる方もいたことで勇気をもらい、アクションを起こすことが出来ました。
とはいえ、まだ何かが変わったわけでも、だれか一人救われたわけでもありません。
この問題について継続的に考え、常に自分には何ができるか頭の片隅においておくこと、出来そうなことがあったら取り組んでみること。
児童虐待防止という、あまりにも大きくてどこから手を付けたらよいのかわからないようなものだからこそ、この問題を見つめ、小さくてもアクションを起こせる人が多くいることが重要なのかなと思っています。
「自分の選挙区で児童虐待に取り組んでいる議員さんはだれか調べてみる」
「それが分かったら発信してみる」
「児童養護施設について調べてみる」
「ボランティアや寄付で協力できないか聞いてみる」
などなど、小さくてもできることはたくさんあります。
私も今回の市議さん訪問にとどまらず、できることを模索していきたいと思います。
ということで、今回は、児童虐待防止のために自分がやってみたことをお伝えしました。
参考になったかどうかわかりませんが、この記事を読んだ方が、小さくてもいいので、児童虐待防止のためにできそうなことにアクションしてくださると嬉しいなーと思います。
ではでは、本日はこの辺で!
リモートワークは社員のため(だけ)ならず。
ども~。だーすです。
先日リモートワークに関する取材を受けまして、その時に考えたことを書きます。
(ありがたいことに、リモートワーク関連でお話をさせていただく機会がちょこちょこありまして、今回の取材で4~5回目くらいでした。)
毎回、「リモートワークを始めた経緯」や「リモートワークのメリット・デメリット」や「リモートワークで不便はないのか」といったことを聞かれるのですが、今回はその部分は割愛いたします。
(詳しくはフローレンスの記事にありますので、こちらで。。)
リモートワークって、よく最近ネットニュースなどでもよく話題に上がっているのですが、基本的に目線は「リモートワークをする人(したい人)」と「その上司」が多い気がします。
(要は、リモートワークってサボっちゃわない?とか、どうやって労務管理するの?とか、会社にいないと評価しにくいよね?とか、アウトプットが大事!とか)
このエントリではちょっと観点を変えたいと思います。
リモートワークは誰のためにあるのか、という点です。
リモートワークは誰のためにある?
リモートワークの恩恵を受けるのは誰で、その恩恵はどんなものか、というのを考えてみます。
まずリモートワークをする社員本人。
こちらは言わずもがな、「働きやすさ」という恩恵があります。
育児中や「終日休むほどじゃないんだよな、家で仕事できたらな~」という時、半日の在宅勤務(リモートワーク)が認められれば、時間を有効に使うことができます。
介護中の方も同様に、遠方に住む親の介護が必要になったとき、施設の入居手続きなどで帰省の回数が増えると聞いたことがあります。そういったときにも、リモートワークで仕事ができたら、家庭と仕事を両立しやすくなります。
次に企業。
職場にリモートワーカーがいると、情報共有に工夫が必要です。
オンライン上で確認できるよう、グループウェアを導入したり、リモートでも仕事ができるよう、クラウド上でデータ管理したり。
最初は「リモートワークしたい人のためにそんなに投資するの?」みたいな意見もあるかもしれませんが、育児や介護以外にも、働き方や労働時間に制約が出ることは珍しくありません。
いつも残業しまくっていた人が、足を骨折して、通勤が困難になることだってあります。普段は問題なく通勤で来ていても、台風が来たり大雪が降ることもあります。
そんなとき、環境が整っていればリモートワークに切り替えることができます。
始まりは一人のリモートワーカーのためかもしれませんが、ひいては自分のためにもなります。
また、最近ではオフィスのフリーアドレス化も進んでいます。リモートワークOKの会社であれば、社員全員分の座席を用意する必要はなく、その分フロア面積が狭いオフィスを借りる、といったコストカットも可能です。
でも、リモートワークの恩恵を受けるのは、リモートワーカー社員とその企業だけでしょうか。
私はリモートワーカーを取り巻くすべての人だと思います。
家族だけではなく、ご近所さんなど地域の人もです。
これを感じたのは大雪の日でした。
私たちが本当にやるべき仕事とは?
2月の大雪の時、多くの会社員の方々は企業人としての務めを果たすべく、必死に自宅のまわりの雪かきをし、車を掘り出し、轍にはまりながら、渋滞の一員になりながら、出勤し、会社の駐車場の雪かきをし、何とか車を停め、会社の入り口までまた雪かきをし、みんな出社できるのかできないのかよくわからない状況の中、仕事をしていました。
なんとかかんとか出社した人たちが「いやー、もう家の前こんなに積もっててさ」と話している間にも深々と雪は降り積もり、「やばい、雪で帰れなくなるからもう帰ろう」と、仕事をしたんだかしていないんだかよくわからない日々を過ごしていました。
そうこうしているうちに、ご近所の老人たちは腰を痛めながら自宅のまわりを雪かきして疲労骨折したり、屋根の雪下ろしで転落事故が起きたりしているのです。
子どもたちが学校に行くのに、歩道が雪で埋まっているがゆえに、雪のない車道を歩いているのです。
その様子をニュースなどで見るにつけ、私が本当にしなければならない仕事ってなんなんだろう、と、もどかしく思いました。
私たちは会社員であるまえに「社会人」なはずです。
社会のために動くべきときに、役目を果たせていたでしょうか。
働き方の選択肢がある、というのは、社員の働きやすさに直結します。
働きやすさを手に入れた社員は、地域のためにも力を発揮していってほしいし、企業側もそれを促進していってほしいと思います。企業側が、自社の利益だけではなく、社員とその地域のことを思えば、もっと社員の働かせ方については思慮があってよいのでは…と思うのです。
ということで、話がリモートワークからそれつつありますが。。。
私もリモートワーカーという点を生かして、もっと地域のために働こうと思います。(もちろん本業きっちりこなしてナンボです)
ではでは。今日はこの辺で!
超文系事務スタッフがシステム導入して学んだ3つのこと
どもども、だーすです。
金沢在住ですが、週4日東京の仕事を在宅で行い、週1日は金沢の会社で働くという生活をしています。(この働き方についての詳細は下記エントリにて)
さて、今日は週1で働いている金沢の会社で行いました、システム導入の話です。
脱スプレッドシート!システム導入までの道のり
現在、私は金沢の宿泊事業者「こみんぐる」で週1日働いています。
金沢にある空き家や町家をリノベーションし、ゲストハウスや1棟貸の宿として提供しています。
ここで働き始めた当初、宿泊予約の管理はGoogleスプレッドシートで行われていました。
スプレッドシート、便利ですよねー。
クラウド版Excelって感じで、ほかのスタッフとも簡単に共有できるし、同時編集できるし、表計算できるし。
なのですが、宿泊予約サイトの管理システム(サイトコントローラー)からのデータの入れ込みに、それなりの管理工数がかかっている様子でした。
それを見て、これからの事業展開やスタッフの増加を考えると、早急にシステム導入が必要に思われ、経営陣に相談。
スプレッドシートでの管理に限界を感じていたということもあり、早々にシステム導入が決まりました。
どのシステムを入れるか?ーシステム選定
今回必要なのは、各宿泊予約サイト(楽天とか、じゃらんとか、Booking.comとか)を取りまとめているサイトコントローラーからのデータを入れ込み、社内での予約管理・顧客管理に利用する、CRM(っぽい)システムです。
(CRMシステムを導入しよう!というよりは、「予約データが管理できて顧客情報が蓄積ができて、あと業務報告も一緒にやりたい」みたいなスタートだったので、CRMっぽい、としました。。。)
候補として挙がったのは2つ。
株式会社陣屋の「陣屋コネクト」。
私&こみんぐる観点からこの2つのシステムを見たときのメリット・デメリットです。
【◎kintoneメリット】
・kintoneはフローレンスでもフル活用していることから、使用のイメージが湧きやすい。
・自分たちで好きなアプリを作ることができるので、必要な機能(一覧表やグラフ)をどんどん自分たちで作っていくことができる。
【▲kintoneデメリット】
・宿泊事業に特化しているわけではないので、自分たちでイチから構築していく必要がある(ちなみにこみんぐるにシステムの専門家はいない)。
・メール(メールワイズ)やスケジューラー(Garoon)との連携はすべてオプションであり、都度都度課金が発生する。
・kintoneだけでは不足する機能についてはプラグインを入れる必要があり、これもまた課金が発生する。
【◎陣屋コネクトメリット】
・Salesforceで作られており、かつ、宿泊事業に特化しているため、ゴリゴリにCRM。顧客管理の観点では困ることなさそう。
・導入前後のサポートも手厚い。
・現役の宿泊事業者が自前で作っているので、宿泊事業者あるあるをスピード感をもって解決していっている
【▲陣屋コネクトデメリット】
・初期導入費用が高額(こみんぐるでは一棟貸の宿を複数展開しているが、初期設定費用が各施設ごとにかかり、初期投資で100万超える…)。
・システム内容が一般的な宿泊施設(何十室と部屋があり、食事の提供もある、など)向けなので、こみんぐるにはちょっとオーバースペック。
……ということで、宿泊事業に特化した陣屋コネクトにはひかれつつも、お財布事情・スペックも鑑み、まずはkintoneを自前で構築することにしました。
ちなみにkintoneといえばこの広告でおなじみ。
kintone開発期間でぶち当たる壁・壁・壁!
開発期間は2か月ほど。
最初に作るのは「予約管理」と「顧客管理」のアプリ2本です。
たった2本、されど2本。
システムに詳しい方ならあっという間に作れるものだと思うのですが、サイトコントローラーからダウンロードしたCSVをきれいに入れ込むためには、マスタの設定をしたり、オペレーションの見直しをしたり、項目を追加・修正したり…。
たびたびのエラーメッセージに心が折れそうになりました。が!
そんな時に「手伝うよ~」と軽いノリで助け舟を出してくれた人がいます。
フローレンスのシステム担当で、hug-luma代表の二河等さんです。
「こういうことをやりたいんだけど、kintoneでどうやったらできるかね?」みたいな緩い相談ベースでもいろいろ教えてくれて、夜な夜なシステム開発mtg(Web会議)に付き合ってくれて…感謝しかないです。(この場を借りて篤く御礼申し上げます、ありがとーーーーう!!!)
試行錯誤とエラーのつぶしこみ、スプレッドシートにある情報との整合チェックを経て、先日無事に導入スタートとなりました。
システム導入して学んだこと
今回、自分がシステムを入れる側の立場になってみて、いろいろ気づくことがありました。
1つめは、システム担当者の思慮の範囲が深いということ。
普段、新しいシステムが入ってもつつがなく業務が進む裏には、いかにシステム担当者が「使う人が困らないように」「マニュアルを整えて」「必要なら説明会もやって」「困ったときにはいつでも聞いて」ということを考えてくれているのかがあるんだなと感じました。
(で、思わずツイートしたよね)
フロレでは超文系事務職なのに、複業先ではkintoneいじってシステム担当になっている私。。
— 須田麻佑子@リモートワークin金沢 (@suda_remote) 2018年4月11日
こうしてシステムを作る側にまわってみると、いかに日々フロレのシステムがつつがなく動いていて、いかにスムーズに導入されているのかを改めて知る。。
ありがとう、システムの皆さん。。みんなすげーよ。
当事者になったからこそ、わかったことでした。
(本職の方はお茶の子さいさいな話だと思うんですが、システム導入の片鱗を見ただけでもうシステム担当の方には頭が上がりません)
2つめは、システム開発者任せにせず、実際のオペレーションがわかっている人がいかにシステム開発者と伴走し、業務とシステムをマッチングさせていくことが大事、ということ。
私もこみんぐるに入ったばかりで、オペレーションがわかりきっていない中での開発となったので(もちろん私のヒアリング力不足が結構な原因だったりするんですが)、こみんぐるの代表の林佳奈さんが一緒にあーでもない・こーでもないと開発の伴走をしてくださったのは非ッ常ーに助かりました。
システムを入れる中で、これまで出来ていたことが出来なくなったり、と業務の見直しが必要なシーンも多々あったのですが、そこはもうバッサバッサと、要/不要をスピード感ある判断で前に進めることが出来ました。
3つめは、データベースを作るにあたってのそもそもの考え方を持っていると持っていないとではデータの活用範囲が変わる、ということ。これは二河さんからの指導の中で学びました。
「氏名」で取り込むのではなく、「姓」「名」で分けて登録し、関数で「姓」+「名」にしたほうがエラーが少ないよ、とか、通し番号があると管理しやすいよとか、データの重複が発生しないようにする工夫とかですね。
どういう項目に分けておくとデータの活用がしやすいのかを考えて項目を用意をすべきだし、特になにも考えずに作った項目って意外と活用しづらかったりします。
何のためにこの項目を設けるのか、どうやったらあとから活用しやすいのかを意識して項目を用意するべし、と脳みそに叩き込んだのでした。
ということで、
「いかに人的エラーを防ぎ、活用できるデータにするか」
「いかに実際のオペレーションを把握している人が、動作・動線に不自由のない設計にするか」
「実際に使う人がどれだけ一緒に作りこむか」
が導入後のシステム活用・データ活用につながっていくのかな、というのが今回の3つの学びでした。
これからのシステム導入ってどうなる?
ここからは一個人的な考えですが、これからのシステム導入ってどうなるのかを考えてみました。
今回、感じたのは(kintoneという、「自分でカスタマイズしてナンボ」なものを導入したこともあったので、よりそう感じているのですが)システム導入にあたって、最初から販売店にお願いして作ってもらう時代ではなくなってきているのかな、ということです。
いろいろなシステムやアプリが出てきていて、まず簡単なものであれば、システムに詳しくない人であってもシステム環境を用意することができるようになっています。
1.まずは簡単なもの、費用が掛からないものでやってみる。
2.そのあと、より高度な技術が必要になったらシステムに詳しい人に聞いてみる。
3.その人でも解決できないようなことならより高度なシステム導入を検討する。
…みたいなステップが、とくにスタートアップ企業には必要なんだろうなと感じています。
ちなみに、2のステップ内にある「気軽に相談できるシステムに詳しい人」というのが意外と見つからないんですよねー。
1と3の間に入ってくれるシステムエンジニアさんとか、結構貴重な存在だと思います。(スタートアップ企業とベンダーさんとの間を取り持つ仲介者というか、通訳者みたいな存在です)
とくに都会ではそもそもの人口が多いので、そういう人と知り合う機会は多いのですが、地方都市にはそういう存在と知り合うきっかけがマジで少ない…。
システムに限らず、広報戦略や人材獲得戦略や人材育成についてのプロ知識を持った人と出会う場が足りないと感じています。ここを何とかしたいなというのは個人的な課題です。
ということで、長くなりましたが、今回はこの辺で!
危機感がゆえに始めた「複業」
だいぶご無沙汰しています、だーすです。
実はひっそりと2018年の4月から働き方を少し変えました。
週4日フローレンスでリモートワーク、週1日金沢でリアルな現場で働く、という組み合わせです。
ということで、今日は「複業」の話です。
◆きっかけは「危機感」からだった
普段は東京のNPO法人フローレンスの仕事をリモートワーク で行っています。
朝起きて、PCの前に座り、ネットに繋ぐと、すぐ東京の仲間たちと仕事をスタートすることができます。
通勤はありません。ランチは基本一人です。
会話が必要なときはチャットや電話やビデオ会議を使います。
ものすごく集中できる環境で仕事ができます。
(「なんかもうこれだけでムリ」という方もいるかもしれませんが、私の性格的には大丈夫です。残業なく、サクサク仕事が進むのでとても良いです。笑)
東京の仲間とは雑談もするし、やり取りの中で声を出して笑うこともあります。
リモートワークという働き方に、不満はありませんでした。
そんなある日、夫と話していてこの働き方に「危機」を感じました。
金沢の企業に勤める夫は当然ながら毎日オフィスに出勤し、仕事中に車移動をし、社外の人と会い、という生活をしているので、いろんな金沢の話を知っているんですよね。
「◎◎でランチ食べたらうまかった」
「今度■■ってイベントに行きたいんだけど」
「〇〇さんって人と知り合ってすごい意気投合した」
という夫の様子を見て、思ったのです。
「私このままだと家にいてばっかりになって、金沢のことを何も知ることができない、人脈が広がらない!」と。
また、金沢でフローレンスの仕事をしているのに、フローレンスのことを知ってもらう場すらない、ということも、フローレンスにとって良くないのではと思いました。
◆金沢を知るには?人のつながりを得るには?
それからというものの、自分の今の状況を脱するには何が一番良いのか、悶々と考えました。
単に金沢を知るだけであれば、日々外でランチしたり、散歩したり、遊びに行ったり、それだけで自分の知識としては増やすことができます。
でも、そこからお店の人と深くつながったり、新しいことをしようと思った時に一緒に動ける仲間を作るには、それだけでは足りない。
そういうつながりは「仕事」を通して得るのが一番いいんじゃないかという思いに至りました。
ということで、いろいろな検索や情報収集を経て、出会った企業が、金沢でゲストハウスや一棟貸しの宿を経営をしている「(株)こみんぐる」さんです。
出会ったきっかけのWantedlyの記事を貼っておきます。
(こちらでの募集はストップしていますが、現在もスタッフは募集中です)
週1日程度という少ないコミットなので、何ができるかを相互に模索した結果、現在は宿泊施設経営のバックオフィス業務を担当させていただいています。
また、こみんぐるさんでの働き方を模索している間にも、「もっと『伝わる文面』を書けるようになりたい、自分の考えを発信する力をつけたい」という思いから、単発のライタースクールにも行きました。(reallocalというメディアを主宰している安田洋平さんのライタースクールです。)
このスクールの受講をきっかけに、reallocal金沢での執筆機会もいただくことができました。
(まだまだひよっこなのでこれから精進します)
ということで、現在はフローレンスの仕事のほかに、こみんぐるさんでのバックオフィス業務、reallocal金沢でのライター業務という複業をしています。
◆お金目的ではなく、「自分の何を伸ばしたいのか」をもとにした複業
今回のこういった働き方の見直しにあたって考えたことは「自分は何を伸ばしたいのか」ということでした。
(何が足りないか、を考えると、あれもできないしこれもできないし…とどんどん二の足を踏んで前に進めないタイプです、私)
「金沢に対する知見を深めたい」
「金沢での人脈を広げたい」
「フローレンスの事業を金沢の人にも知ってほしい」
といったところから考えはスタートしましたが、仕事につなげていこうとしたあたりで、
「これまでのスキルを応用して何かできないだろうか」
「これの目標を達成するには何をすると近づけるのだろうか」
みたいなことを考えるようになり、結果、複業になっていた、という感じです。
そして、いざ複業状態で始めてみると、「そんなことが?」ということが(今の職場では活きなくても)他の場所で輝く可能性は存分にあるんだと、気づきました。
「副業解禁」がブームの昨今ですが、副業として働きたい人を採用をしている会社はまだ多くはありません。
でも、企業で培われたスキルを求めている「場所」は世の中にたくさんあります。
「場所」は会社だけではありません。町内会のような地域活動や保護者会・PTAなどもそういうスキルを活かせる「場所」だと思います。
自分にはどんな強みがあるのか。
自分は何のスキルを伸ばしていきたいのか。
何を結び付けていきたいのか。
といったかんじに、「強みを認識し、それを言語化しておくこと」、「強みを生かせる場所がないか、アンテナを高く張っていること」が、複業への第一歩なのかなと感じています。
なんだか長いつぶやきみたいになってしまいましたが、今日はこの辺で。。