超文系事務スタッフがシステム導入して学んだ3つのこと
どもども、だーすです。
金沢在住ですが、週4日東京の仕事を在宅で行い、週1日は金沢の会社で働くという生活をしています。(この働き方についての詳細は下記エントリにて)
さて、今日は週1で働いている金沢の会社で行いました、システム導入の話です。
脱スプレッドシート!システム導入までの道のり
現在、私は金沢の宿泊事業者「こみんぐる」で週1日働いています。
金沢にある空き家や町家をリノベーションし、ゲストハウスや1棟貸の宿として提供しています。
ここで働き始めた当初、宿泊予約の管理はGoogleスプレッドシートで行われていました。
スプレッドシート、便利ですよねー。
クラウド版Excelって感じで、ほかのスタッフとも簡単に共有できるし、同時編集できるし、表計算できるし。
なのですが、宿泊予約サイトの管理システム(サイトコントローラー)からのデータの入れ込みに、それなりの管理工数がかかっている様子でした。
それを見て、これからの事業展開やスタッフの増加を考えると、早急にシステム導入が必要に思われ、経営陣に相談。
スプレッドシートでの管理に限界を感じていたということもあり、早々にシステム導入が決まりました。
どのシステムを入れるか?ーシステム選定
今回必要なのは、各宿泊予約サイト(楽天とか、じゃらんとか、Booking.comとか)を取りまとめているサイトコントローラーからのデータを入れ込み、社内での予約管理・顧客管理に利用する、CRM(っぽい)システムです。
(CRMシステムを導入しよう!というよりは、「予約データが管理できて顧客情報が蓄積ができて、あと業務報告も一緒にやりたい」みたいなスタートだったので、CRMっぽい、としました。。。)
候補として挙がったのは2つ。
株式会社陣屋の「陣屋コネクト」。
私&こみんぐる観点からこの2つのシステムを見たときのメリット・デメリットです。
【◎kintoneメリット】
・kintoneはフローレンスでもフル活用していることから、使用のイメージが湧きやすい。
・自分たちで好きなアプリを作ることができるので、必要な機能(一覧表やグラフ)をどんどん自分たちで作っていくことができる。
【▲kintoneデメリット】
・宿泊事業に特化しているわけではないので、自分たちでイチから構築していく必要がある(ちなみにこみんぐるにシステムの専門家はいない)。
・メール(メールワイズ)やスケジューラー(Garoon)との連携はすべてオプションであり、都度都度課金が発生する。
・kintoneだけでは不足する機能についてはプラグインを入れる必要があり、これもまた課金が発生する。
【◎陣屋コネクトメリット】
・Salesforceで作られており、かつ、宿泊事業に特化しているため、ゴリゴリにCRM。顧客管理の観点では困ることなさそう。
・導入前後のサポートも手厚い。
・現役の宿泊事業者が自前で作っているので、宿泊事業者あるあるをスピード感をもって解決していっている
【▲陣屋コネクトデメリット】
・初期導入費用が高額(こみんぐるでは一棟貸の宿を複数展開しているが、初期設定費用が各施設ごとにかかり、初期投資で100万超える…)。
・システム内容が一般的な宿泊施設(何十室と部屋があり、食事の提供もある、など)向けなので、こみんぐるにはちょっとオーバースペック。
……ということで、宿泊事業に特化した陣屋コネクトにはひかれつつも、お財布事情・スペックも鑑み、まずはkintoneを自前で構築することにしました。
ちなみにkintoneといえばこの広告でおなじみ。
kintone開発期間でぶち当たる壁・壁・壁!
開発期間は2か月ほど。
最初に作るのは「予約管理」と「顧客管理」のアプリ2本です。
たった2本、されど2本。
システムに詳しい方ならあっという間に作れるものだと思うのですが、サイトコントローラーからダウンロードしたCSVをきれいに入れ込むためには、マスタの設定をしたり、オペレーションの見直しをしたり、項目を追加・修正したり…。
たびたびのエラーメッセージに心が折れそうになりました。が!
そんな時に「手伝うよ~」と軽いノリで助け舟を出してくれた人がいます。
フローレンスのシステム担当で、hug-luma代表の二河等さんです。
「こういうことをやりたいんだけど、kintoneでどうやったらできるかね?」みたいな緩い相談ベースでもいろいろ教えてくれて、夜な夜なシステム開発mtg(Web会議)に付き合ってくれて…感謝しかないです。(この場を借りて篤く御礼申し上げます、ありがとーーーーう!!!)
試行錯誤とエラーのつぶしこみ、スプレッドシートにある情報との整合チェックを経て、先日無事に導入スタートとなりました。
システム導入して学んだこと
今回、自分がシステムを入れる側の立場になってみて、いろいろ気づくことがありました。
1つめは、システム担当者の思慮の範囲が深いということ。
普段、新しいシステムが入ってもつつがなく業務が進む裏には、いかにシステム担当者が「使う人が困らないように」「マニュアルを整えて」「必要なら説明会もやって」「困ったときにはいつでも聞いて」ということを考えてくれているのかがあるんだなと感じました。
(で、思わずツイートしたよね)
フロレでは超文系事務職なのに、複業先ではkintoneいじってシステム担当になっている私。。
— 須田麻佑子@リモートワークin金沢 (@suda_remote) 2018年4月11日
こうしてシステムを作る側にまわってみると、いかに日々フロレのシステムがつつがなく動いていて、いかにスムーズに導入されているのかを改めて知る。。
ありがとう、システムの皆さん。。みんなすげーよ。
当事者になったからこそ、わかったことでした。
(本職の方はお茶の子さいさいな話だと思うんですが、システム導入の片鱗を見ただけでもうシステム担当の方には頭が上がりません)
2つめは、システム開発者任せにせず、実際のオペレーションがわかっている人がいかにシステム開発者と伴走し、業務とシステムをマッチングさせていくことが大事、ということ。
私もこみんぐるに入ったばかりで、オペレーションがわかりきっていない中での開発となったので(もちろん私のヒアリング力不足が結構な原因だったりするんですが)、こみんぐるの代表の林佳奈さんが一緒にあーでもない・こーでもないと開発の伴走をしてくださったのは非ッ常ーに助かりました。
システムを入れる中で、これまで出来ていたことが出来なくなったり、と業務の見直しが必要なシーンも多々あったのですが、そこはもうバッサバッサと、要/不要をスピード感ある判断で前に進めることが出来ました。
3つめは、データベースを作るにあたってのそもそもの考え方を持っていると持っていないとではデータの活用範囲が変わる、ということ。これは二河さんからの指導の中で学びました。
「氏名」で取り込むのではなく、「姓」「名」で分けて登録し、関数で「姓」+「名」にしたほうがエラーが少ないよ、とか、通し番号があると管理しやすいよとか、データの重複が発生しないようにする工夫とかですね。
どういう項目に分けておくとデータの活用がしやすいのかを考えて項目を用意をすべきだし、特になにも考えずに作った項目って意外と活用しづらかったりします。
何のためにこの項目を設けるのか、どうやったらあとから活用しやすいのかを意識して項目を用意するべし、と脳みそに叩き込んだのでした。
ということで、
「いかに人的エラーを防ぎ、活用できるデータにするか」
「いかに実際のオペレーションを把握している人が、動作・動線に不自由のない設計にするか」
「実際に使う人がどれだけ一緒に作りこむか」
が導入後のシステム活用・データ活用につながっていくのかな、というのが今回の3つの学びでした。
これからのシステム導入ってどうなる?
ここからは一個人的な考えですが、これからのシステム導入ってどうなるのかを考えてみました。
今回、感じたのは(kintoneという、「自分でカスタマイズしてナンボ」なものを導入したこともあったので、よりそう感じているのですが)システム導入にあたって、最初から販売店にお願いして作ってもらう時代ではなくなってきているのかな、ということです。
いろいろなシステムやアプリが出てきていて、まず簡単なものであれば、システムに詳しくない人であってもシステム環境を用意することができるようになっています。
1.まずは簡単なもの、費用が掛からないものでやってみる。
2.そのあと、より高度な技術が必要になったらシステムに詳しい人に聞いてみる。
3.その人でも解決できないようなことならより高度なシステム導入を検討する。
…みたいなステップが、とくにスタートアップ企業には必要なんだろうなと感じています。
ちなみに、2のステップ内にある「気軽に相談できるシステムに詳しい人」というのが意外と見つからないんですよねー。
1と3の間に入ってくれるシステムエンジニアさんとか、結構貴重な存在だと思います。(スタートアップ企業とベンダーさんとの間を取り持つ仲介者というか、通訳者みたいな存在です)
とくに都会ではそもそもの人口が多いので、そういう人と知り合う機会は多いのですが、地方都市にはそういう存在と知り合うきっかけがマジで少ない…。
システムに限らず、広報戦略や人材獲得戦略や人材育成についてのプロ知識を持った人と出会う場が足りないと感じています。ここを何とかしたいなというのは個人的な課題です。
ということで、長くなりましたが、今回はこの辺で!