人生初のホストファミリー体験から考えるーー「家族ってなんだろう」
私も夫も、留学したことはないのですが、留学生を受け入れるホストファミリーはいつかやってみたいと夫婦で話していました。
週末ごとにそれぞれの友達や職場の人が遊びに来たりしていて、夫婦二人とも、家に人を招き入れるのが好きな方なのですが、昨年まではマンション住まいということで、人を泊めるにも布団どこに敷いたらいいのよ……という状況でした。
でも一軒家に引っ越した今年は違う!個室はないけど人を泊めるキャパはあるぞ!
ということで、前々から気になっていた、JAPAN TENTに申し込みました。
JAPAN TENTとは
日本国内の大学や専門学校で学んでいる留学生たちを石川県に呼び集め、県内のホストファミリー宅でホームステイしながら、日本の一般的な生活や日常、日本の伝統文化などを体験してもらうというプログラムです。
毎年8月に行われていて、全国から石川県に集まる留学生は約300名(マジか)。
2019年は8月22日~28日の約1週間の期間のうち、我が家は後半・25日~28日の3泊4日の受け入れでした。
(※前半は加賀方面・能登方面のホストファミリー宅に滞在しており、25日にホストファミリー宅がチェンジする、という流れです)
やってくる留学生は、From Madagascar
締め切りがちょっとすぎていた7月半ばに申し込み、8月初旬の説明会に参加しました。
この時すでに留学生のアレンジは完了しており、渡された封書には我が家に滞在する留学生の名前、国籍、現在通っている学校、宗教、苦手な食べ物、趣味などが記載されていました。
ふむふむ…。
21歳のマダガスカルから留学中の男子がやってくる…!
ま、マダガスカルって、どこ…!
……ということで、俄かにマダガスカルについて勉強しました。
8月の終わりにホームステイの受け入れ(ホストファミリー)をすることにしました。
— 須田麻佑子(だーすー) (@myk_suda) 2019年8月6日
ホームステイに来るのは、マダガスカル🇲🇬から日本語を学びにきている学生さんとのこと。
全くマダガスカル知識がないので慌てて学習中。
ほぼ日のアースボール 活躍中🌍 pic.twitter.com/dRKnXkS9b5
ポッドキャストにある「世界一周!チラ見の世界史」という番組でマダガスカル共和国の歴史というのがあったので、それも聞いたり。。(Youtubeからも聴けます)
とはいえ、やっぱり今まで出会ったことのないマダガスカルの人。
知識も入れはしたものの、会ってみてからが本番、という状況でした。
我が家での3泊4日
いよいよ迎え入れの日、最初のプログラムは「対面式」は市内のホテルで行われました。
マダガスカルの留学生、Rさんと初めまして~と挨拶をしたの後は簡単な茶会、立食パーティー、翌日以降に行われる「まるごと金沢・職人めぐり」の申し込みを経てフリータイムとなります。
※まるごと金沢・職人めぐりでは金箔工芸、茶道、街歩き、地元のボランティア学生たちとの交流などがある模様。申し込み順がホストファミリーナンバー順で、自分たちの番の時にはほぼ埋まっているという状況で申し込まず。。。
1日目、まず自宅に戻って荷物を置き、家の説明をしました。
ここにお風呂、トイレ、洗面所、キッチン、寝る場所etc…言うてもそんなに広い家ではないので、ものの3分で終了…。笑
息子は「ブロックで車のすべり台つくりたい」とのことで、一緒に遊び始めます。
幸いにもRさんは子ども好きということもあり、一緒に遊んでくれます。
その遊びのうまさがすごい。
ブロックで飛行機を作ったら、積み木で搭乗ゲートを作り、段ボールで航空チケットを作り、指人形を搭乗客にして空港ごっこがはじまったのです。
すごい。。これまでかつて私は息子にここまでの遊びを提供していただろうか、いやない。。
お兄ちゃんが出来たようで、息子はあっという間にRさんに懐きました。
Rさんは母国で見たアニメ『NARUTO』をきっかけに日本のアニメを好きになり、声優を志して日本にやってきたとのこと。
(NARUTOはフランス語のものを見たそうです。マダガスカルは英語・フランス語・マダガスカル語が話されているそうで…Rさんは4か国語目を学習中という状況…すごすぎる)
私が知る数少ない声優のうち、録画リストの中にあったNHKの『おげんさんといっしょ』の宮野真守を一緒に見たりしながら、声優愛について聞きました。
(もちろんマダガスカルの話も聞いたんだけどさ…!)
翌2日目は、夫が午前半休、私が午後半休を取り、バトンタッチしながら観光へ。
午前中に兼六園や金沢城公園、午後は車で走れる渚・千里浜海岸と気多大社に行きました。
3日目は夫も私も仕事ということで、当初学生ボランティアの方にお願いして、JAPAN TENTが提供しているプログラムに参加してもらおうかとも思っていたのですが、金沢に来る前に滞在していたホストファミリーの方が能登方面に連れて行ってくれるとのことで、1日観光をお願いしました。
そうこうしているうちにあっという間に4日目。
午前中は北國新聞会館でさよならセレモニーということで、JAPAN TENTに携わった学生ボランティアたちが挨拶をし、留学生たちが感想を述べ、会はしめくくり。
留学生はそれぞれが帰路につく、という流れでした。
私たちの”日常”を見せる、ということ
3泊4日というホストファミリー期間でしたが、私たちが意識したのは”日常”を続けるということでした。
ホストファミリー説明会も、「日常の暮らしを見せてあげてください。お客様扱いせず、家事をやってもらったりしてください。やっちゃいけないことをしたら叱ってください。それが家族ですから」と言われたというのもあるのですが、日本人の一般家庭の生活を見てもらうことが、Rさんにもよかろうと思ってのことでした。
実際には県内のいろいろな観光スポットに行ったり、いかにも日本を体験みたいなことをした方が、楽しいにとっては楽しいのかもしれません。
でも、『観光』ではなく、『暮らしに入ってもらう』ことがホストファミリーの役割なのかなと思い、仕事もちょっとは休んだのですが、それ以外は通常モード全開でした。
ただ、3泊4日という期間は、悩ましい期間でもあります。
休もうと思えば仕事も休めなくもないし、一緒にいろいろなスポットを回ったり、過ごす時間を長く持つことで理解が深まったりもすると思います。
でも、それだけがっつりその期間で”もてなし”しようとすると、来年は続けられないな……という感覚もありました。
ホストファミリーは楽しいんだけど、もっとじっくり、ゆっくり関わりたい。
そのためにはもう少し期間が必要な気がします。
もっと日常を味わえて、清濁併せ吞んで『家族』になるには、3泊4日では(私には)時間が短いように思いました。
この先もいろんな人と『家族』になりたい
このホストファミリー体験を通して、考えたのは『家族ってなんだろう』ということ。
Googleで『家族』を検索すると、
同じ家に住み生活を共にする、配偶者および血縁の人々。 「―構成」
という結果が返ってきます。
「配偶者および血縁の人々」でなくても、「同じ家に住んで生活を共にする」ということは、何度でも誰とでもできるし、そんな生活のほうが幅が広がって楽しそうじゃないか。
うーん、家族ってなんだっけ。家族の定義ってみんなどう考えているんだろう。
そんな折、こんな記事を見つけました。
ギブアンドテイクの考えから抜け出して、日ごろから「小さなお互い様」を積み重ねる。いろんな人を頼ったり、頼られたりする関係を血縁以外に持てるほうが、人生豊かになりそうだな、と記事に共感しました。
単発の関わりではなくて、細くても長く続けたり、関わりが途切れてもその人を思い続けたり。
今回のホストファミリー体験を通じて、いろんな人たちとそういう「家族」関係を作っていきたいなと思うようになりました。
来年もJAPAN TENTの受け入れをするかは来夏の家族会議にかけるとして。
家族留学(manma)や、
長期のホストファミリー、
週末里親など、
ishikawaken-satooyakai.amebaownd.com
血縁によらない家族関係づくりはいろいろと方法がありそうです。
もちろん血縁の家族も大切にしながら、私の中の「家族の定義」を拡張していくことを模索していきたいと思います。
ということで今回はこの辺で。