「市議会議員候補者のHP・SNSまとめ記事」のその後。
昨日、IMAGINE KANAZAWA 2030主催のイベント、SDGsカフェでお話してきました。
上記のブログ記事を書くことにしたきっかけや、議員候補者のSNSまとめをして感じたこと、そして市議選の結果から、この先のCivicTechや情報アクセスってどうあったらいいのかね?ということを話題提供しました。
この時に使用したスライドを用いながら、お話したことを記事にまとめました。
「市議会議員候補者のHP・SNSまとめ」を書いたきっかけ
まずHP・SNSまとめのブログ記事を書くに至った背景からお話しします。
きっかけは2つありました。
一つ目は周囲の人たちの行動にあります。
NPO法人フローレンスに勤めているということもあり、一緒に働く人たちは社会課題への関心が高い人が多いです。
例えば同僚には「東京の中央区で、子育てしながら行政について考えるブログ」というブログタイトルで発信をしているほづみさんがいたり…
代表理事の駒崎さんもパートナーが北区議選に挑戦するため、家事育児面でサポートするということで仕事をお休みしている(写真参照)あいだに、東京23区の区長の平均年齢を分析して課題提起をするという記事を出していました。
二つ目のきっかけは、市議選のポスター掲示などを見た際に感じた「候補者の人たちがどんな人たちなのかわからない」ということ。
選挙となって目にするのは、該当に掲示される選挙ポスターであったり、候補者の人たちが乗る選挙カー、自宅のポストに入る選挙公報。受け身な情報収集の場合、候補者について知ることができるのはこれくらいです。
これだけしかない情報、かつ投票までの一週間だけで、何をどう判断して評価したらよいのか?疑問に思いました。
そこでチラリと候補者の方々の情報を調べてみたところ、ホームページをはじめ、FacebookやInstagram、Twitter、YoutubeなどのSNSを活用されている方がいらっしゃることが判明しました。
誰かの解釈が入ったものではなく、一次情報として、候補者ご本人の発信内容を見るのが一番良いのでは?という思いにいたり、ブログにまとめ、Facebookで共有した、という流れです。
まとめ記事を作成してみてどうだったか?
では実際にこのまとめ記事を作成してどうだったか?
その作業中に感じたことがこちらです。
そもそも候補者の名前からして、選挙管理委員会が出している候補者のリスト(現在は削除されてしまっており見ることが出来ない)から転記作業となります。
PDFには候補者のホームページのURLも貼ってありましたが、別タブで開かないので結構これがめんどくさい…。
中にはホームページを持っていない方もいるので、名前で検索してもヒットしなかったり、SNSアカウントで市議会議員であることを明かしているのに、あまり政策が見えてこない投稿が続いていたり、投稿が前回の当選お礼で終わっている方もいらっしゃいました。
「候補者43人もいるからな…SNSの種類もいっぱいあるし、まとめるのは結構時間かかるかも、、」と思っていたのですが、意外とあっさり終わってしまい、「マジか…」という気分でした。
(HP・SNSをまとめて、記事を書いて出すまでの作業はおそらく6時間くらいだったかと)
でもこの状況を許しているのは誰?
とはいえ、このような状況を許しているのは誰なのか、と振り返ってみれば、市議会議員の方々の発信内容をそれでよい、としている市民なのではないかと思います。
普段から、その議員さんがどんな問題に取り組んでいるのか、どのくらいの期間で何をやったのか、どれくらいのインパクトを出して市が良くなったのか。
こういったことを市民がチェックして投票によって意思反映するのが選挙なのではないでしょうか。
ということで、市議会議員選挙の投票率を改めて調べてみることにしました。
H3年の62.84%から下降傾向が続いて、今回のH31年では36.33%という結果でした。
ちなみに、%にしてしまうと具体的な人数が見えなくなってしまうので、内訳も算出してみました。
金沢市の人口が2019年4月1日現在で463,387人。
その中から選挙人名簿に登録されている方が4月13日現在で376,954人。
選挙当日の有権者数はそこから少し減って370,040人。(転出や死亡などで減るんですね)
その中から、期日前と当日に投票を行った投票者数が134,438人でした。
選挙当日の有権者数から投票者数を引くと、235,602人。これは金沢市の人口の約半分です。
さらにこの数値を見ていて怖いな、と思ったのは、46万人の市民に関わる施策を考える人たちのことを、たった13万4千人の人でしか決めていないということ。
投票した人を人口で割ると、(もちろんですが)投票率よりも低い、29.03%です。
3割未満の人たちで、議員を選んでいるって、ヤバくないですか…?
選挙時の情報アクセシビリティに問題はなかったのか?
とはいえ、投票行動を起こさなかった人たちのことを想像すると、情報が行き届いていたのか、ということも考えなければならないと思います。
情報アクセシビリティが低い結果、よくわからないから自分には関係ない、自分の一票で変わる気がしないから投票しない、という思考になっている人もいるのではないでしょうか。
あるいは、障害者の方々がきちんと情報収集できる形になっていたのか?
ここも振り返って考え直すべきポイントかと思います。
ということで、今回のHP・SNSまとめ記事の作成や、市議会議員選挙の結果を受けて私自身が今後考えていきたいと思ったことはこちらです。
やはり市民が議員の活動、議会で何が話されているのかをチェックしたり評価する姿勢を持ち続けること、そのための情報アクセシビリティの向上といったことは必要だと思います。
私自身もなんらかの形でこうした課題に取り組んでいきたいと思います。
また、子どもや外国籍の方など、選挙で自分の意思を反映できない人たちの声をどう届けていくのかも考えていきたいところです。
ではでは今回はこの辺で。